スペイン巡礼に出発する当日、元夫より「妻役で一緒にモデルルーム見学に行ってくれないか?」ということで、一緒にとある新築マンション(未公開)のモデルルームの見学へ行った。
値段は、1億いかないくらい。
年収の10倍規定というセオリー通りに行けば、奴には安すぎる物件だ。
だが、会社の経費とならず、税引き後の自分の収入より住宅ローンの返済をしなければならない為(ってかまじでこれは当たり前過ぎるほど当たり前の話なんですけどね)、ビビってるのだ。
こちとら、別に妻役で行っただけだし、どの部屋にしようが、どの階にしようが知ったこっちゃないのだ。
でも、営業マン等に、「奥様」として扱われているうちに、自分も住むような気になってきてしまうから不思議である。
というよりも、このまま行けば私が妻として住むことになる。
その「このまま」というのが、ものすごく曖昧で、理解しがたい定義だったりする。
そのモヤモヤを払拭すべくスペインにさっさと来てしまったと言っても過言ではない。
元夫のことは嫌いじゃない。というよりも、一緒に居て楽だし、楽しいし(しんどい時もあるけど)、割と好き。
その他大勢のリスクを取ろうともしない普通の人たちを離婚してからの1年、いろいろと味わってみたけれど、正直、全く面白くなかった。退屈だし、退屈すぎて途中から腹が立ってきた。彼らにではなく、そんな彼らを一瞬でも選択した自分に、である。
元夫も元夫で、この1年間、目が円マークになっている可愛いんだろうけど、頭の足りない女性たちを見てきて、「もういいや」ってなっている。
お互いに、もう冒険したし、いいよねーって感じなのである。
でも、でも、でも、それでも、私は未だにモヤモヤしてる。
元夫が私の願い通り、会社を売却して、そのお金を全額どこでも良いから寄付してくれりゃこんなモヤモヤ感を味わうことはなかっただろう。
まあ、それが現実的に不可能だってことは重々理解しているけれど。
他人にどう思われようと、自分が良ければいい。
そう突き抜けちゃうくらいなぶっとびガールになりたい。
(あ、もはやマダムか)