3日目
ズビリ to ブルラーダ(パンプローナだと勘違い)
今日はもう青年Yはいない。
彼は今日(月曜)から仕事へと戻ったからだ。
1人で行く道はちょっと寂しい。
昨日が楽しすぎたからだろうか。
それでも、前に進むしか道はない!
ということで、1人でも足を引きずりながらスタートしたのであった。
今日は荷物を背負っているので、なかなか関節に負担がかかっている。
心なしか、今度は足首まで痛くなってきた気がする。
基本的に道路的な街中が多かった。
塗装された道路はやはり歩きやすい。
もうダメ、歩けない…
と思っていたところに、とうとう綺麗な川に綺麗な橋が見えてきた。
つ、ついた…!!
思ったよりも1時間早く到着した私は意気揚々とアルベルゲにチェックイン。
なんとその日は私が2番手だった。
あれ?私を追い抜かしていった巡礼者は一体どこに収容されてるんだろう?
そう疑問に思ったのもつかの間、さっさとシャワーを浴びて、洗濯をすまし、準備万端の状態で、アルベルゲの隣のバルへ直行。
ビールを飲み、オムレツを美味しく食べ、約束の時間(今日は青年Yとエクアドル人と飲む約束をしていた)までまだ2時間も余裕があったので、もう1杯ビールをあおり、オリーブをつまみながら、優雅に過ごす時間。
さて、どこで待ち合わせしようかな〜♩
とGoogleの地図を見て驚愕。
え…ここ、パンプローナじゃなくね!!!!!!
目が飛び出るとはこのことである。
iPhoneの画面に穴が開くほど凝視した挙句に、一息置いて、日本語で、
「やっちまったーーーーー!」
と叫ぶに至った。
バルにいた人々はこちらを見て何事かと思っているだろう。
が、そんなこたぁ知ったこっちゃない。
こちとら、間違えたんだぜ、目的地。
到着したのはパンプローナの1つ前の街、ブルラーダだったのだ。
急に都会になったから、そこがパンプローナだと勘違いしたが、実はパンプローナは更に都会だったって話。
即、青年Yにメッセンジャーでご報告。
仕事中にも関わらず、
「そこね、ちがう。笑」
と返事が。
もう笑うしかない。
結局、荷物を現在地のアルベルゲに置いたまま、30分ほどすると到着するであろう(と思っていた)大聖堂で待ち合わせすることに。
というより、「今からWi-Fi入らないから、6時に大聖堂前でうろついてる日本人見つけて!」
とだけメッセージを送りつけ、出発。
そもそもその「大聖堂」がすべてもの間違いの始まりであった。
後々発覚したことだが、パンプローナには大聖堂なる存在がいくつかあるようで、彼は私がどこの大聖堂を指しているのか全くわかっていなかった。
そして、更に言うなれば、私はそのまま道をロストし、30分経っても、1時間経っても、大聖堂には着きはしなかったのだった(笑)
初めての土地で、Wi-Fi環境もろくに得られないくせに、地図も持たずにノリで出てきてしまう女、それが私なのである。
結局、自分がロストガール化していることに気づいたのは、歩き始めてから25分経ってからであった。
カミーノの矢印に従っていけば、大聖堂くらい絶対通るでしょう!とふんでいたのが間違い、というかそのまま頑張って従っていれば、いくつかあるうちの1つの大聖堂には着いた。のだが、途中でなんだか不安になって、カミーノロードを裏切り、矢印方向から逸れて、ほとんど勘でフラフラ彷徨っていたのであった…
約束の時間を過ぎてしまいそうだったので、取り敢えず連絡だけでもしておかないと!と焦り、まさかの恐怖のデータローミングに手を出す。
金額?いくらかかったっていいさ!
だって信用はお金で買えないからね!精神である
そして、「迷子です。もはや自分が今どこに居るのかさえわからないので、また明日にしましょう」とだけ送った。
そうすれば、無駄に待たせることも、心配させることも、迷惑かけることもないかと思ったのだ。
青年Yというより、そのご友人に迷惑をかけたくなかった。日本人として申し訳なさすぎでしょ?
したらば、青年Yより電話がかかってきた。
「今どこにいるの?心配したよ。今から迎えに行くから見えるもの教えて」
もはや、この一言だけで恋に落ちてしまうかと思った。
こういう悲惨な状況にある時、助けてくれる人は神様であり、ヒーローであり、イケメンなのである。
「と、闘牛場みたいなところにいる!」
とまず見えた牛さんの銅像とドームで判断してみた。
結果的にそれは当たっていたし、むしろ、その闘牛場はめちゃわかりやすく、街のほとんど中心にあった(笑)
最初からそこを指定すべきだったようだ…
でも、迷った挙句の果てに流れ着いただけだったので、地図を見ていけたかどうかも不明である。
「待ってて。今行くから」
とそこまでわざわざ迎えに来てくれたのだった。
もう半分くらい恋に落ちているって感じである(笑)
でも、それでも恋は始まらない。悲しいことに。
これが私のカミーノなのだろう…くそっ。
そして、青年Y登場。
そこからすぐの飲み屋街に噂のスペインハシゴ飲みを決行すべく、繰り出したのであった。
こういう知らない土地にいる時は、その土地を知っている人がいるとすごく心強いものがある。
美味しいバルを教えてもらって、とっても美味しくとっても安いフォア(フォアグラ)を食べさせてもらって、美味しいカニャ(ビール)で乾杯である。なんという素晴らしいオチなのであろうか!
オーダーの仕方も教えてもらった。
「ウナ カニャ イ エスト エス ポルファボール」である。
(おぼろげな記憶)
この魔法の言葉だけで、ビールと美味しいつまみが手に入るのなら、私はその魔法の言葉を2度と忘れないであろう…!!
(実際にその後もかなり多用した言葉である)
そして、アルベルゲの門限が10時なのに、まさかの9時半まで呑んだくれてしまって、彼にタクシーを捕まえてもらって、タクシーで颯爽と帰ったのであった。
ものすごい冷や汗とものすごく楽しい1日であった。
人生山あり谷ありね!
ブエンカミーノ!!