Way to be HAPPY

Life is a Journey

カミーノ巡礼 19日目

19日目

Tosantos to

今日は、みんな疲れ果てていて同じアルベルゲの部屋の人は全くもって起きなかった。

というわけで7時出発。

少しばかりお寝坊さん。

アルベルゲを出発して歩いていると、アイルランド出身のギャラスさん(34)に出会った。

途中で「ブエンカミーノ!」と共におい抜かしたものの、道をまんまと間違えて戻っている最中に目が合ってしまった。

今日も強制お一人様排除パターンか。

そう思っているとやはり話しかけてくれて、どちらともなく一緒に歩くことになった。

彼は今日は30km先の街に行くとのことで、私は本来は20km先の街でストップする予定だったので、20km一緒に行くことになった。

最初は、どう逃れるかということに頭がいっぱいだったが、いつものパターンとは違い、そこまで一緒に歩いているのが辛くなかった。

お互い、歩くのが辛い時には無言だし、しかも、それでもその無言を苦痛に感じなかったのである。

2人とも、話したい時にお互いに話しかけ、それで大爆笑。

そして、その後1〜2時間話さないこともしばしば。

いつもであったら会話がないことに焦って何か話さなくては!と焦ってしまう私がまさかの余裕な感じに。

これは神様が用意してくれた奇跡としか言いようがなかった。

同じ日本国民でも、このカミーノでも、日本でも話していて息が詰まる人間がいた。

しかし、逆に、このカミーノで、英語であっても、そうでなかったとしても、特に話さなくても良いように思える人間と出会えるなんて思ってもみなかった。

ギャラスさんは、漁業従事者で、いつ呼び出されるか分からない状態でカミーノに参加しに来たという。

これまた不思議な理由で参加する人もいるもんだなと思っていたら、どうやらmake a wish という団体のチャリティーのために参加していると言う。

このカミーノに自身のエゴでなく来ている人がいる事を心から嬉しく思った。

私は、と言えば、毎月数万円を発展途上国又は、そうでない国の子供達が学校に行けるように支払っているが、自らチャリティーでお金を集めるためにカミーノに参加するなんてすごく素晴らしいことだと思った。

そんな彼は御歳34歳であるが、非常に志の高い漁師だと思う。

そして、彼が何をしていたとしても、こんなに一緒にいて、安心出来る人間に出会ったのは、パンプローナまで一緒に過ごした日本人男子だけであったので、またこういう合う人間と知り合えたことがすごく嬉しかった。

そして、同時に感じたことは、やはり、出会う人間の善し悪しは別にして、私と合う合わないという観点は確実に存在するということだ。

それは、国境を越えて、言語さえも越えて、存在するのだということが今日初めて理解できた。

そのことを心から嬉しく思う。

今日、それを経験出来なければ、これから先もずっと上手く人と付き合えない自分を責め続けていたであろうから。

ギャラスさんはところどころで面白いジョークを飛ばして、私を笑わせてくれた。

ものすごいお互いに疲れていたけれど、そのジョークが2人のヤル気、歩く気を引き出していたように思う。

20km歩いたところの街で2人でひたすらビールを呑んだくれていた。

おそらく1時間ほど。

そして、本来私はそこでストップする予定だったのだけれども、

「やっぱり次の街(8km)まで行く!」

と私は宣言して、若干もうここで留まってしまおうかと思っていたと思われるギャラスさんを連れ立って、次の街へと歩き出した。

途中で、

「なんで、君は歩こうって言ったんだ!!」

と若干ジョーク交じりで責められたけれども、

「わかんなーい」

で済ませてしまう関係を嬉しく思った。

そんなこんなで何もない麦畑を2人でテクテクと歩いた。

ひたすら歩いた。

太陽が私たちをトーストしても、トイレに行きたくなっても、2人とも黙々と歩いた。

そんなこんなで、次の街(合計29km)へと到着。

飲み足りないギャラスさんは、バルへと行かないかとまだシャワーを浴びてもいない私を誘う。

ついついその誘いに乗ってしまって、おごりおごられ、私たちは恐らく合計1.5リットルものビールをかっくらったのであった。

それから良い気分になって、クリスチャンであるギャラスさんに付き合って教会へ行って、ろうそくに火を灯して、スタンプをもらってアルベルゲへ帰ってきた。

何故か夕食には参上しないギャラスさんであったが、ものすごく楽しい1日を過ごせた。

彼に感謝したいと思う。

今日は、友情を育むということを教えてもらった。

隠し撮りした私の写真も送ってもらった(笑)し、ものすごく楽しい時間を過ごすことができた。

今日は、不思議とシニカルな私が出てこなかったことに感謝したい。

今日こそ米を食うぞ!

と思っていたけれど、ビールとサラダとスープとメインディッシュとアイスでもはやお腹いっぱいである。

今日は気持ちよく寝れそうである。

Thank you for ギャラスさん!

である。