18日目
今日は、6時半に出発。
まだ仄暗い街をテクテクと進んでいく。
その先で、ものすごく重たそうな荷物を抱えたアジア人を見かける。
最初は日本人かな?と期待してみたけれど、どうやら横顔を見るに、日本人ではないようである。
彼女を追いぬかす際に、いつものブエンカミーノ挨拶をしてみた。
すると、彼女は、例のごとく、
「Are you Korean?」
と話しかけてきた。
日本人だと伝えると、喜んでくれて、次の休みに大阪に遊びに行くのだと言う。
以前にも日本に来たことがあって、日本人は彼女らに良くしてくれたから好きなのだと言う。
ありがとう、大阪の日本人、である。
そんなこんなで彼女らと話しながら約10kmの距離を歩いていった。
「何故、韓国人はそんなに英語が上手いの?」
と永らく疑問だったことを聞いてみると、どうやら韓国人は10歳ほどからものすごい英語教育を受けるとのこと。
巷にはイングリッシュスクールが溢れるほどあるし、学校での教育もしっかりしているのだそう。
日本とはまるで大違いである。
そして、彼女は幼い頃を両親の仕事の事情でフィリピンで過ごしたという。
そりゃあ流暢な英語を話せるわけである。
それでも、彼女は大学生で19歳。
もうすぐ10歳もの差になる私としては心中穏やかではいられない。
ものすごくジェラスを感じるのであった。
彼女は大学でスペイン語とスペイン文化を学んでいるのだそうだ。
それって、このカミーノでは鬼に金棒ではないか!
そう思うとますますジェラシーを感じてしまうのであった。
日本人は何故こんなにも英語を話すことができないのか。
ものすごくそれについて日本人である自分が劣っているような気持ちになるのであった。
彼女は、ブルゴスからカミーノをスタートして、サンティアゴまで行くのだそうだ。
そして、サンティアゴの後は、イタリア、フランスを旅して歩くらしい。
ブルゴスに来るまでに、ポルトガルとマドリッドを旅してきて、ものすごく良かったと言っていた。
まだ19歳にもかかわらずものすごい勇気と行動力である。
日本人にそんな行動力はあっただろうか…そう考えるたびに劣等感が顔を出すのであった。
私も彼女はみたいに旅をしたい!
そう思ったは良いが、帰る便をすでに押さえてしまっている私としては、便を変更するしか他に手はない。
にもかかわらず、こんな若い子に負けるなんて!という私の意見が私の予定通りの帰国を邪魔するのであった。
そんなこんなで、20km彼女と歩ききり、一緒に写真を撮って(彼女らは非常に自我撮りが上手である)、お別れとなった。
その後、炎天下の中、死にそうになりながら、約11kmの道を歩ききった自分に万歳である。
アルベルゲは最近出来たらしく、バルを併設していて、とても綺麗で申し分なかった。
ここまで歩いてきて良かったと思えた。
夜ご飯も、しっかりと例のごとくペリグリノメニュー(9ユーロ)をしっかりたべて、満腹の状態で寝付いたのであった。
若いって素晴らしい。
そして、若い時期に旅をすることはもっと素晴らしい。
日本人ももっと世界を旅するべきだと思わされて1日であった。