21日目
今の気分はファッキンアルベルゲ!って感じである。
今日の目的地である、テラディージョス・デ・ロス・テンプラリオスという街に行く途中のすぐ左側にあるアルベルゲに今日はついつい疲れ果てて、駆け込んでしまった。
割と綺麗なのは確かである。
そして、10人部屋が8ユーロ、
4人部屋が10ユーロ、そしてやや高いが個室もある。
私は、その中の4人部屋を選択した。
すでに1人部屋に入っていたが、今のところ2名のみでいい感じである。
だがしかし、洗濯機使用量が4ユーロと他よりも1ユーロ高い。
そもそもアルベルゲの洗濯機使用量3ユーロでさえもやりすぎじゃない?
という価格設定だと普段から思っているので、
なんとなくイラっとした。
だって、朝にハムとチーズ挟んだパンとカフェコンレチェ頼んでも2ユーロちょっとで済むのに、たかだか洗濯機使うだけで、それはないよねーと思ってしまうのだ。
しかも、他の人の靴下入っていたし…
4ユーロを2名に支払わせて、1回しか洗濯機を回さなかったということへの動かぬ証拠であろう。
セコイなぁ〜と思ってしまう私であった。
サービスに見合った金額を支払うことに何に異議もない。
少々高かろうと満足していれば、支払う、それが日本人という民族の落ち度であり、美徳だと思っている。
だがしかし、満足していなくとも、支払う、それが日本人なのである。
特に私のような輩は…ついついネギを背負ったカモとなり、後で相手を呪いたくなる(笑)
本来であれば、呪う前にネギを背負うのをやめるべきなのである。
まあ、それがアルベルゲの収入源となっていることも理解できるけれども。
それにしても、レストランにはペリグリノメニューしかないし、
他にこの街にペリグリノメニューはないし、諦めてこのアルベルゲにて頼むことに。
しかも、その諦めがつくまで30分以上炎天下の中歩いて街を彷徨っていて、実はさらにイラついていた。
そうです。この街には何も無いんです。
バルもない、メルカドもない、オステルもオテル(ホテル)もない!
そろそろ本気で米が食べたいと思っていた私としては発狂するしかないような状況。
街からアルベルゲまで10分の帰り道、炎天下の中、イライラしすぎて泣きながら帰ってきたくらい、何も食べるものがない。
そして、アルベルゲに帰ってきたところで、まさかのファッキンペリグリノメニューしかない。
しかも、普通のアルベルゲより選択肢は少ない。
まず、1品目は前菜的な動きの何かをオーダーするようになっている。
が、選択肢が、変な豆のスープか、ものすごい量のパスタか、サラダしかない。
その後に、メインを頼む。
メインは更に選択肢は少なく、3種類のみというところが多い。
・バターという名の油たっぷりで揚げられた魚
・パサパサジューシー風ビーフ
・丸焼きオイリーチキン
以上である。
しかも、毎度、高カロリーなメインメニューにフライドポテトが必ずついてくる。
本気で殺す気だろうか…と考えざるをえないメニューばかりである。
すべてにはものすごいカロリーの油が惜しげも無く使用されており、これはきっと外国人専用メニューだけであってほしいと願う。
こんなの毎日食っていたら、遅かれ早かれ何らかの病気になること間違いなしだから。
例え毎日3万歩、4万歩歩き、カロリーを1000kcalほど多く消費しようとも、こんなメニューを食らっている限り絶対健康になどなれない…!
そう悟った私であった。
そんな今日は、朝5時に変な夢を見て(思い出せない)起床。
そして、トロトロ支度をして、朝6時に出発。
なんとなんと奇跡的にギャラスは、既に出発していたのであった!
まさか奴が起きれるとは思ってもいなかったので、ちょっと見直した(笑)
よっぽど太陽にトーストされたくなかったのだと見える。
ヨーロッパ人は日本人の所謂「白い肌」と比べ物にならないくらい「白い肌」なのである。
そして、彼らの肌が焼けた瞬間というものは非常に痛々しい。
ほとんど火傷みたいな状態になり、真っ赤っか。
きっとものすごくヒリヒリするであろう発色具合である。
それでも、私も負けじと日焼け止めを塗りたくるのであった。
肌が何色だとしても、太陽にトーストされたくないのはみんな一緒なのである。
暑いし、痛いし、いいことなんて何にもないしね。
そんなこんなで、今日は、Carrion de los Condes から Calzadolla de la Cueza まで17.2kmずっと、街も店もバルもない…というまさかの恐怖のカミーノを歩ききったのである。
Calzadolla de la Cueza のバルに到着すると間違いなく全員がそこで休憩する。
そして、誰からとも無く、「良くやった!」という褒めあい合戦が始まるのだ。
いやあ本当に、こんな退屈で辛い道をよく歩ききったと思う。
女性として一番不安に感じること、それはトイレである。
もし、私が男であれば、例えトイレに行きたくなったとしても、
ちょっと草むらに入って行って、社会の窓を開け、
己のタイニーな一物を引っ張り出し、事をなすだけで済むであろう。
だがしかし、女の場合はひどいものだ。
何故なら、一物を引っ張り出すだけで済まないからである。
いちいち、草むらにしゃがみ込んで、
ズボン又は短パンをパンツごと引き下げる!
ちなみにこの際に、端から見られたとしたら、最悪である。
THE お尻丸出しスタイルなのである。
このカミーノにおいて、野で尿を足すということは、非常に恥ずかしい格好を晒す可能性と自己の尿意との凄まじい戦いがあるのである。
だがしかし、尿意が時には自尊心に勝る時もある。
何故なら、たまに尿意に負けた女性をカミーノにおいてしばしば目にするからである(笑)
それでも、やはり男性は旅に適しているなあと思わざるを得ないのであった。
ちょっと悔しい。
そして、例のごとく、朝の10時からCalzadolla de la Cuezaのバルでビールを飲み始めた私であった。
ちなみに、周りには人種問わず誰もアルコールを摂取している人はいなかったけれど。
ま、飲みたいのだからいいでしょ!という開き直りの精神である。
珍しくギャラスさんも、コカコーラで済ましていた。
(だがしかし、まさかの2本な)
そして、1時間ほど休憩してから、また2人で歩き始めたのであった。
次の街まで約5.8kmの距離。
それでも、既に日は高く登ってしまっているからか、
非常に長く感じたし、ビール後の長距離移動は意外と辛かった。
ギャラスさんと2人で、
「このガイドブック、嘘ついてるだろ」
とか、まだ次の街に到着しないことに文句を言いながら歩いているとようやく、Ledigosが見えてきた。
そして、またもやバルを発見。休憩することに。
今度はギャラスさんも、午前中は我慢していたビールを投入することに。
1杯飲んで、
2杯飲んで…
3杯目に差し掛かったところで、2杯目までは一緒に待っていられたけれど、3杯目までに付き合う気のなかったのだと私は、ギャラスさんを置いていくことにした。
「See you later!」
と声をかけて、さくさくと歩き始めた私。
その後もギャラスさんは、そのバルに居座ってビールを飲み続けていたらしいので、さっさと行って正解であったことは間違いない。
そんなこんなで、今日のCalzadolla de la Cueza のアルベルゲに到着したのは、午後1時半くらい。
途中のビール休憩が無ければもう少し早く到着できたかも知れない。
それでも、ビール休憩は私とギャラスさんの恒例の習慣となっていたので、意外と私たちはそれを楽しんでいた。
そして、今に至る。
ギャラスさんは、今私が宿泊しているアルベルゲが満員だったそうで、次の場所にあるオステルに滞在しているとのこと。
今日はもう会わないかなーという感じであるが、まあ別段お互いに問題を感じてはいない。
集いたい時に集えばいいし、
集いたくない時には集わなければいい、そういうものなのだ。
カミーノは着の身着のまま、という言葉がピッタリの道である。
そんなこんなで、まともな飯にもありつけず、
クソみたいなサラダと味のしないフランスパンとビールで夕食を無理やり終えた私は一体これからどうすればいいんでしょう・・・
本当、運動もしっかりして、タバコも止めて、健康になりそうなものなのだけれども、食生活が邪魔をする、そのような悲しい感じになっている。
食生活をもっとマシなものにしたい、どうこうしたい今日このごろなのであった…