37日目
ホテルにはレストランが併設されていて、そこでmenu de dia(今日のメニュー)を食べることにした。
そして、美味しいワインとサラダと3種の魚のソテーを食べた。
ミンは食欲がないと言い、お酒はもちろん一滴も飲まず、サラダだけオーダーした。
私とジョンはよく食べ、よく飲み、健康優良児みたいだった。
(ジョンに合わせて食べていると私だけぶくぶく太っていくのだけれど)
ミンはムービーの為にずっと私たちが話している最中はカメラを回し続けていた。
ワインがとっても美味しくて、ついつい飲みすぎてしまった私はとっても上機嫌になったようだった。
私は、常に大脳さんが私が英語の文法やら発音を間違えて恥ずかしい思いをしないように、と英語のトーク力を制限しているようで、酔っ払って大脳の働きが落ちてくると、制限が取れて無制限に英語を話し出すという不思議な機能が搭載されている。
本当に不思議なのだが、酔っ払っていない時には絶対に出てこなかったであろう単語がポンポン出てくる。
そして、聞き取る能力もついでにアップするようで、酔ったときの私のトークはやたら弾むのであった。
そんなこんなで、またしてもネタはジョンのプリーストの話になった。
というよりも、今までは実は「内緒だよ」とこっそりミンがジョンのプリーストネタを教えていてくれていたたけで、私は直接ジョンの口からそのネタを聞くことは出会ってから1度もなかったのだ。
ジョンは私にそれについて話したくないのだと思っていたので、私は知らないフリをし続けていたのだった。
だが、その日、ジョンは自分から、「俺はプリーストになるんだ。」と話してくれた。
どうみたってもはや個人主義者にしか見えないジョンが自分から秘密を打ち明けてくれたことが私は心から嬉しかった。
それから、カトリックとプリーストについてのトークが1時間ほど続いた。
私たちは、ほとんどミンの存在を無視して話し続けた。
まず、カトリックの中でかなり厳しい戒律があるということ。
一番衝撃的だったのは、
「オナニーをしないこと」であった。
(私は絶対にカトリックに改宗出来ないと悟った)
そして、ついでに、セックスにおいてコンドームを使用してはならない、とか。
(エイズが蔓延しているのはカトリックのせいじゃないかと一瞬疑ったけど、違った。)
何故なら、結婚するまで性行為が禁止されているそうだからだ。
(オスティア!)
でも、それらが本当に守られているかどうかは、誰も知らない。
知りようがないしね。別に疑っているわけじゃないけど。
そして、離婚も本来ならあり得ない!と熱弁されたので、
「あ、ごめん。私、言ってなかったけど、離婚したことある。」
と、テヘッみたいな感じで冗談ぽく告白してみたら、
ジョンはかなり焦ったようで、かなり謝罪を受ける羽目になった。
大丈夫、私は、カトリックじゃないから!だよね。
もはや何を言われても気にならなくなっちゃってるし。
そして、プリーストって何するの?というすごくしょーもない質問にジョンは真剣に、むしろ全身全霊で答えてくれたように思う。
その内容は、ここではちょっと書けないけれど、日本の神道と考え方がものすごく似ていた。
彼らプリーストは、神と人間をつなぐ橋のような役割を果たすのだ。
むしろ、橋というよりも変電所と言った方がニュアンス的には近い。
彼らはものすごく重要な役割を果たしているのだと思う。
まあ、それでも、神の加護を受けるにはカトリックにならなければならないと言い切ったことには、なんだかなあと思わずにはいられなかったけれどね。
もしそうなら、
「まじでカトリック以外の人々をどーしてくれるんだよ神様よう!」
という感じになっちゃうしね。
そして、そんな心の狭い神様なんてこっちから願い下げである。
分け隔てなく救ってくれる「神様」を探すしかないよね。
ということで、そんな考えはおくびにも出さずに、なんだか気持ちよくディナータイムを過ごすことができた。
ジョンもなんだか楽しそうだった。
私も、とっても楽しかった。
ミンも一切会話に登場しないくせに、楽しそうだった。
こういうのって旅の醍醐味だな〜と思う私であった。
そして、ディナーを終えて、ジョンはタバコを吸わないのでさっさと部屋に帰って行った。さすが個人主義者である。(いい意味で)
私とミンは外で一服することにした。
そして、2人で一服していると、ミンが不意に、
「部屋が気に入らなかったから、変えてもらったんだ。
しかも、何故かベッドが3つもある部屋に変えてくれたんだよ。
見に来る?見に来る?」
と言い出した。
私はさっきの事件のこともあるし、本当は行くのが怖かったのだけれど、結局見てみたいような気もして、ついついノコノコついて行くことに。
ここから先は、細かく書くのが危ぶまれるので、省略したい。
(行間読んでね!)
つまりは、そういうことである。