日に日に私たちの関係は悪化していった。
まるで恋愛小説の中の物語を早送りしているかのように。
すべての物事がものすごいスピードで次から次へと起こって行ったのだった。
私はもう正直日本に帰りたかった。
それでも、既に帰りの便を変更してしまっているので、それは難しい相談であった。
彼もNYに帰りたいとこぼすようになった。
一体私たちは何をしているんだろう…そのような感情が私を常に襲い続けた。
明日は大丈夫だろう。明日こそはもっと素晴らしい1日になるであろう。
そう願いながら一刻一刻を過ごしていた。
彼もきっと同じ気持ちだったはずである。
それでも、日に日に起きる事件は悪化していき、私たちはしばしば険悪なムードで一緒に過ごさなくてはならなくなった。
そして、二人とも二人で過ごす意義を見出せなくなっていった。
あも
まだ2人とも若すぎたのだと思う。
それは、年齢ではなく、精神的な問題であった。
私たちの抱えている問題はとても類似していて、議論の論点になるポイントも同じであった。
どう自分の中の感情と闘っていくのかということ。
私は、日々の我慢の積み重ねで疲れ果てていて、限界が来るともはや明るいムードを保てなくなる。
それどころか、ほとんど感情が顔や表現に出てしまう。
もはや隠せない限界値まで我慢の限界が達しているということである。
彼は彼で、自分の心の中にあるらいですが怒りと闘っていた。
感情を抑えることにストレスを感じているのであろう。
私が、怒りを見せる彼を見て悲しい気持ちになると言ってしまったせいで、彼は私の前では極力怒りを出さないように非常に努力していたからだ。
そして、その努力が彼のストレスとなっていた。
私たちはもはや一緒に過ごすことにある種の限界を感じていたのだと思う。
そして、お互いに二人の関係を長引かせたいが為に、ひたすらに隠そうと努力し続けていた。
この関係は永くは続かないと二人とも分かっていたのだと思う。
だからこそ、二人で叶いそうもない夢の話をひたすらにし続けていたのだ。
永くは続かない私たちの関係についてだ。
私だって、こんなこと思ってもみなかった。
ずっと一緒に生きていきたいと一度は思った相手だったからだ。
それでも、運命は私たちのの行く手、を阻み続けた。
これでもかという程に私たちを蹂躙し続けたのだ。
ちか
毎日起こる同じような種類の問題に私たちはもう耐えられなくなっていた。