残すところあと1日。
ミンと過ごした日々は長いようで短かった。
出会ってから今日で20日目。
同じ血を分けた兄弟でも、両親でも、スッピンを見せれる親友でも、朝から晩まで24時間20日間も一緒に過ごすことはなかった。
そして、言葉の通じない海外に旅行というかなりストレスフルな環境での20日間を無事に2人で乗り切れたことを嬉しく思う。
最初は恋人、途中から兄弟、最後にはなんだか同志のような感じがする。
最初の恋人ラブラブシーズンが終わってしまったのを感じ取って、途中ではものすごく寂しかったけれど、今となってはそんな感情の変化もいい思い出へと変わった。
今日は、朝5時に起きて、5時半にアルベルゲを出発。
そして15分かけてサンジャンピエドポーの駅に着いた。
単純計算すればわかるのだけれど、5時45分には駅に着いてしまう。
電車が来るのは6時10分だ。
駅の屋舎は施錠されていて、中で待つことはできなかったので、小雨が降る寒い中25分ほど待つはめになった。
そして、5分経った時にようやくミンは認めた。
「オーケー。あのオーナーは正しかった。」
とボソッとこぼしたのであった。
昨日アルベルゲのオーナーに、「15分あれば駅につくんだからそんなに早く出なくてもいいんじゃないかい?」と言われていたにも関わらず、THE心配性のミンはまさかの5時半出発を決行したのだ。
そのとばっちりがこれである。
私も予定の時間より早めに行かないと落ち着かない性格ではあるが、ここまで強迫観念かのように早め早めに行こうとする人は初めて見た。
そして、結局現地で時間が来るのをひたすら待つ羽目になるのである。
おかげで電車等に乗り遅れることはないが、バスや電車が予定の時刻より遅れると目くじらを立てて怒りだす為、(え、だったらギリギリに来ればよくね?)と思ってしまう私なのであった。
そんなこんなで、サンジャンピエドポーを出発し、1時間ほど経過した後に、バイヨンヌ駅でパリ行きの電車へ乗り換えた。
寝不足だった私たちは即眠りに落ちたのであった。
ミンは腰が痛い痛いと一昨日から訴えていて、痛み止めを飲みまくっては、痛い痛いと唸っている。
さすがに腰となると、一体どうしたら良くなるのか全くもって分からない。
これだけ筋トレをして、いい体をしている人間が腰痛に悩まされるとは、なんだか不思議な感じであった。
てっきり筋トレをしっかりして、素晴らしい筋肉を持っているような人間は腰痛など無縁だと思っていたからだ。
筋肉があろうと無かろうと腰痛になる、ということが分かった。
いい勉強である。
にしても、私もインプラントを埋めた奥歯の部分がジンジンと痛み始めてきてしまって、2人ともここ数日痛みとの戦いが続いている。
神様がもしいるのだとしたら、非常に意地悪よね。
最後くらい楽しく終わらせてくれても良いものを。
と思ってしまう、心の狭い私でありました。