Way to be HAPPY

Life is a Journey

社畜と独立の狭間で 後編

そこは、朝まだ暗い時に通った時とは、まったく雰囲気が違い、最初は見逃してしまいそうなほどであった。

ひっそりと石を扱って商いをしている・・・そういう雰囲気があった。

そして、傘をさしたまま、店内を外から物色していると、沖縄っぽいおばさまが中からわたしを招き入れてくれた。

わたしは恐る恐る店内へ入った。

周りを見渡してみると、外から見た時に見えたショーケースに4〜5個、パワーストーンで作られたブレスレットが置いてあった。

どう見てもそのショーケース以外に売り物は見当たらなかった。

(いったいどうやって生計を立てているのだろうか・・・)

わたしは、勝手に彼女の生業を心配し始める始末。

そして、何個かそのブレスレットを勧められたが、わたしにはしっくりこなかった。

かわいいのだけれど、わたしはもうブレスレットは増やしたくなかったのかもしれない。

 

とは言いつつ、昨日、ネットでも有名な松山という場所にあるパワーストーンを取り扱っているお店に出向いてみたりした。

前々から行ってみたかったところである。

そこでは、予約をしていくと(なんともう年内は予約いっぱいな)、いわゆる視える方が予算内でブレスを組んでくれるという、自由が丘でも有名な「愛光堂」のようなシステム。というか、愛光堂の方も実は沖縄出身の方だっていうから、どっちが先かまったくわからない。どうも、やはり沖縄の人々は、本土の人々に比べて、格段に視える率が高いのは確かだろう。

クラスに一人は必ずユタ体質の人がいると、沖縄の人に聞いたことがある。

この風土や伝統がそうさせるのであろうか。

それとも、血統というものなのだろうか。

で、話は戻るが、どうもそのお店に入った時の雰囲気がダメだった。

そもそも予約を取っていないので、ブレスレットを組んでもらえる可能性はないのだが、それを加味しても、どうも・・・居心地が悪かった。

金の亡者的な匂いがプンプンしたのである。

わたしはそういうのにはやたらと敏感で、数年前から通っていたとある沖縄でこれまた有名なパワーストーン屋さんにも最近見切りをつけた。

彼が確かに何かの力を借りて、視えているのは間違いないとは思う。

だがしかし、問題はそこではなく、だんだん金儲けしか考えなくなってきてしまっているということだ。

力があるからといって、そこに人格が伴わなければただのやばいやつでしかない。

ということで、わたしはここには一切関わらなくなったが、元夫は今でも足繁く通いつめ、行くたびに出資しないかとか言われているらしい。波動がお似合いだわ。

 

ということで、本当はなんだかそういう精神的に頼りにできるような石をゲットしたかったのである。

なので、今回ここまで(再び)来たのであろう。

 

彼女は、おもむろに口を開くと、

「ああ、あなただったのね〜。昨日、(明日、県外から気のいい人がこの店に来る)っていうのがわかったから、お店を掃除して模様替えしたのよ〜。」

と言った。

その模様替えの前は確認しようがないけれど、確かに天井から来年の干支である鳥(というか鶴だったが)がぶらさがっているし、正月仕様に変更するとしたら、月末であろうし、そもそも、金になるかどうかもわからないわたしにリップサービスをする必要性が皆無であるので、おそらくそれは本当だったのだろうと思う。

 

しかし、売り物が何にもない。

そこで、朝から気になっていた「タロット」なるものに挑戦させてもらうことにした。

わたしの癖なのだが、こういう時、何分でいくらか、というミミっちいことは絶対に聞かない。どこかに書いてあれば、読む。だけれども、書いてないのであれば、聞くまでもない。支払える金額を財布にぶっこみ、「いざ、行かん!」という姿勢で挑む。

それこそが、なんだか本気度を表しているようで、わたしは変なこだわりを持っている。

そして、相手も別に料金をいうでもなく、説明するでもなく、ささっとわたしを椅子に座らせた。そのまま、おもむろにタロットを切り出す・・・

っていうか、そのタロット・・・年季めっちゃ入ってる!!!!

とびっくりしたのであった。

もはや、文字だか絵面だかがほとんど見えなくなっているレベル・・・

思いつきでタロットをお願いしたけれど、なんだかそれを見れただけで、やってよかったと思ってしまった。

ここまでタロットをボロボロにするまで一体何万回タロットを切ったことであろうよ。

もし、当たらなくとも、ここまでタロットを切りまくってきた人に見てもらうのは、素晴らしい経験になると思った。

 

・・・・のだが、そんなもんでは済まされなかったのだ。

伊達にタロットがボロボロになっているわけではない、というべきか。

そこまでタロットをボロボロにさせる必要があったのか、というべきか。

 

めちゃめちゃ的確であったのだ。

 

今まで、そういう系のセッションにもはや数百万?以上つぎ込んでいたわたしとしては、今までで一番、と言えるほどの的確さであった。

 

スピリチュアルヒーラーの当たってはいるのだろうけど、抽象的過ぎて何言ってるのかわからん&で、一体わたしはどうしたらいいねん!みたいになる要素がまったくなかったのである。

 

まだつづく