私には今同棲している人がいる。
愛しているかいないかで言えば、愛していない、に分類されるかもしれない。
でも、必要か必要でないかで言えば、必要な存在なのだ。
彼の体積はほとんど私と同じか、ちょっと多いくらい。
体積で表したのは彼の身長を慮ってみたからかもしれない。
身長でいうと、5センチくらいしか変わらない。
私の性的対象となる身長は私より、15センチ以上上の身長だった。
理由は、我が家の男性がそうだったから。
兄は183センチ、父は178センチ、姉は165センチ。
とりあえず、平均身長が高い家系だったということもある。
私は、私より大きい人にしか発情しないようにできているらしい。
大きいといっても、身長差が5センチだとほぼ同じとみなす。
最近気づいてしまったのだけれど、彼は私の胸で寝ていることが多い。
私にもたれかかっていることが多い。
もはや性別が逆なんじゃないかという疑惑がある。
私は誰かの胸で眠りたい。
でも、現状は真逆という事実。
それが一層私を追い込んでいるような気がする。
彼がいる限り、誰かに頼ることもできない。
彼は私を助けることはできない。
何故ならその能力がないから。
そこまでわかっていて抜け出せない現実。
ずっと囚われているような錯覚。
そして、私は精神的に誰にも頼れないように設定してしまっている。
もう、蟻地獄に等しい。
ただ、吸い込まれていくだけ。
それか、もがき続けて生きていくだけ。
そんな現実にもう辟易している。
でも、もう少しだけ。
長い夜の後には、目覚ましい朝日が昇る。
それをただ、今は盲目的に信じているだけ。