そんな風に、お腹がはちきれるまで食べ続けている私だからこそ、
小学5年生にもなるとかなり太っていた。
百貫デブまではいかないけれど、ぽっちゃりとデブの間をただたださまよっていた。
姉は6歳上である。
その時姉は高校生であった。
そして、昔から細かったので、御多分に洩れず、高校生でも細かった。
今でいう、モデル体型である。
そこにぽっちゃりとデブの間をさまよっている妹。
姉はさぞかし恥ずかしかったのだろう。
一度、街中であった時に「おねえちゃん!」とばったり会った喜びとともに話しかけたことがあった。
その時の姉は(もはや記憶にもないが)微妙な反応をしていたはずである。
帰ってから、「街で会っても、私に話しかけないで」と言われた。
それはとてもショックなことだった。
そこで初めて認識したのだと思う。自分が醜いということに。
姉が妹である私を恥ずかしいと思うほどに。
その時まで私は、特段気にしてはいなかった。自分の体型に。
だって、それが標準装備だと思っていたし、それが「私」だったから。
その時からかもしれない、これは本当の私じゃないって思うようになったのは。
私は醜いだ、と思い始めたのも。