27日目。
Pamplona to Leon (by ALIVA)
帰りの列車の中でこのブログを書いている。
今回のPamplonaへの旅は予想以上に楽しく、素晴らしいものになった。
カミーノの旅へ、「期待しないこと」を学びに来た。
その成果というか、期待しないことによって、ものすごく素晴らしい経験が出来るということを学んだ。
昨日、クラブ兼バルからヘロヘロになって帰宅したのは朝方の3時半であった。
みんな連日の寝不足と、飲みすぎ、踊りすぎでものすごく疲れていた。
そして、帰ってから1人ずつお風呂に入ることとなった。
私は3番目。
本当はもう眠くて眠くて、シャワーなど浴びずにそのまま寝てしまいたかった。
そして、眠たいから明日シャワーを浴びると言うと、
みんなが、汚ねえから入れ入れとやたらと私をお風呂に入れたがった。
その時は、その文言通り、(確かに汚ねえしな…)と思っていたので、渋々お風呂に入ることにした。
バル兼クラブは、床に酒が散らばっていてものすごく汚かったし、ワインの臭いやら、ビールの臭いやら、人々の胃から上がってくる代謝出来なかったアルコールの臭いやら、タバコの臭いやらで、充満していた。
そんな中で約5時間アホみたいに踊り狂っていたのだから、当然全身が臭くなっていたので、シャワーはやはり気持ちよかった。
そして、スッキリしてお風呂から上がった。
部屋に戻ると、部屋中の電気が消されていて、(ああ、もうみんな寝てるのかな)と思った。
そうして、部屋に入って行くと、
2本のロウソクが灯されているのが見えた。
1本は、2という数字とミニーちゃんのロウソク、
そして、もう1本は9という数字のロウソクだった。
彼らは、なんと私のバースデーケーキを用意していてくれたのであった。
そのケーキには、
29th HAPPY BIRTHDAY !! レイちゃんおめでとう!
K、T、Yより
と綺麗な白い文字で書かれていた。
バルで何度も何度も聞いていた音楽がバックミュージックとしてかけられていた。
そして、その音楽が途絶えた瞬間、
「ハッピバースデートゥーユー♫」
とみんなで歌ってくれたのであった。
私は、自分のバースデーを祝ってもらえるなんて思ってもみなかったし、
(実際の誕生日はあと半月後であった)
まさか、あの時2人で買い物に行ったときにケーキを買ってきてくれているなんて、思っていなかったので、
ものすごくビックリしたし、感動した。嬉しかった。
泣きそうになった。
そして、今、これを車内で書いている最中に実際に泣けてきた。
彼らの真心がものすごく伝わってきたし、
こんなに素晴らしい人たちと出会えたこと、そのことが心から嬉しかった。
もし、私が、彼らが私の誕生日を祝ってくれることを期待していたら、こうは感動しなかったであろうと思う。
期待しないことは、こういう感動をも呼び覚ましてくれるのだと感じた。
彼らはものすごく眠かっただろし、ものすごく疲れ果てていた。
それなのに、私がお風呂から上がってくるまで寝ずに、準備をして待っていてくれたのだ。
こんなに嬉しいことはなかった。
心からありがとうとお礼を言って、ろうそくの火を消した。
なんて素晴らしいプレ誕生日会であろうか。
もう、日本に戻って、誰にも祝ってもらえなくともいいと思った。
日本に戻れば、元夫やら、他の男性が私の誕生日を祝おうとしてくれるだろう。
でも、そこには何かしらの期待があり、そして、私の期待の方が大きくてきっと満足などしないだろう。
彼らのサプライズで、もう私は満足できたのだった。
素晴らしい誕生日会をどうもありがとう、という感じである。
それから、朝方5時にようやく眠りについて、みんなで大爆睡。
本当にみんな疲れ果てていたので、すぐ眠りについた。
そして、お昼にようやくみんな起きだした。
私は13時の列車でレオンに帰らなければならなかったので、
Yさんが車で駅まで送ってくれた。
みんなも、わざわざ道まで出てきてくれて、見えなくなる最後の最後まで手を振って送り出してくれた。
そして、Yさんは、すぐ私を下ろして帰るのかと思いきや、
列車が来て、去るまでずっと一緒にコーヒーを飲みながら待っていてくれた。
最後の最後まで手を振ってくれて、待っていてくれた。
本当に嬉しかった。
それも、そこまで期待していなかったからこそかも知れない。
人に期待しないということは、思わぬ喜びを与えてくれるものであるし、その期待が叶わなかった時、相手に負の感情を持たなくて済むのだと学んだ。
本当に素晴らしい3日間だった。
友情とは何か、思いやりとは何か、私が知らないだけで、この日本にまだどれだけ素晴らしい人々がいるか、教えてくれた短い旅であった。
本当に、本当に、ありがとう、みんな。